大森悟展
2FIRST STAGE : 2011/10/29 (土)〜11月13日(日)
SECOND STAGE: 2011/11/16(水)〜11月27日(日)
開催時間:12:00 - 19:00
休廊日:月曜日・火曜日
<関連イベント>
2011年10月29日(土)
アーティストトーク│15:00-16:30│参加料:一般500円、会員無料
レセプション│17:00-19:00│参加自由
作家のことば
「揺れるというイメージが、ものに当てはまり現象になったときにスクリーンを生みだす。」
よく有る話のような事ですが、ここではさまざまな次元の飛躍と超越が繰り返され、ときに新たな作品という形を持ちます。私の作品の多くが暗室で見る、見えるものにしているのは、光を使っているからです。方向性を持った光の移動がものに関わりその表面をなぞる事で、3次元空間を強く意識するようになると考えています。そして、その光を受け止める物質の存在を一度強く固定するためです。
これまでの作品鑑賞という考察の入り口でも、暗室という極端に視覚的情報量が減った環境にすることで、見る側の経験値に対して少し負荷をかけて既知と未知という安堵と不安という精神性も引き出しやすくしています。身体的知覚から精神性へと無意識のうちに導きます。それは、私たち誰もが日常生活のなかで繰り返し持つ問題意識で、スタンダードな知識と環境の変化に対しての受容の仕方という個の葛藤のようなものから始まっているのかもしれません。つまり、暗室でのインスタレーションは私たちの日常の観察と思考を高感度にし、主体性の蘇生の場となるのです。
《花かげ》シリーズの絵画作品は、取材時におけるさまざまな経験を反映した表現です。昼間は桜の木の下に潜り込み、満開の花の隙間に空を発見し、夜は昼間に鳥たちが啄み地面に落ちた花の隙間に大地を発見します。すると空と大地が深みを増し、不思議と空と大地が湖面をつくり、そこに桜の花がゆらゆらと浮かんでいるように感じてしまうのです。ここでも私は取材時に木陰と夜という暗室のような環境を体験し、太陽の日差しや月明かりにも気付き、水面に浮かぶ桜の持つ平面性のようなものを発見しています。見る動きとともに変化する白と銀の関係性もそこから生まれています。
私は桜と湖面に関心を持っています。何故、に対して明確な返答をすることは出来ませんが、私の前方と上方に広がる世界を実感出来る対象です。そして、この対象の存在により自ずとその反対方向の後方と下方も意識することとなります。つまり私自身の存在の起点、時空に置ける起点を確認しやすくさせてくれる対象だと考えています。この《水平、線》インスタレーションでは、レーザー水平器を使用しています。それと水を注いだ使い古しのガラス容器類を数多く並べていますが、それは日常のなかにある水平面で、小さな湖のような存在としています。その水にポール付きの小さな舟を浮かべ、それぞれの舟のポールを極細の糸で結び、その繋いだ糸をレーザー光で照らし出すことで空間に浮遊する光の水平面を作り出します。浮遊させることでものから解きはなされた水平面、あるいは水平線の機能を抽出します。
今回の展示では、この《花かげ》シリーズの絵画作品、《水平、線》インスタレーション作品を発表します。また光がものと関わりうつろうところから始まります。
大森 悟
作家略歴
1969年 茨城県 常陸大宮市(旧・美和村)生まれ
1999年 東京芸術大学大学院美術研究科博士課程(油画)修了
美術博士
2001年〜福井大学 教育地域科学部 生涯学習講座 助教授
2005年〜女子美術大学 芸術学部 美術学科 洋画専攻 准教授
■個展など
1997年 ベリーニの丘ギャラリー(横浜)
2000・01・04・06・09年 コバヤシ画廊(銀座)
2008・09・10・11年 ギャラリーとわーる(福岡)
2008・10年 ギャラリー58(銀座)
2003・08年 WAOプロジェクト(福井大野市)参加
